白線文庫

『ハクセン』という名まえ

コラム 白線文庫

『ハクセン』という名の由来を、白線文庫のころからよく聞かれていました。

その度に、敬愛していた祖父の会社の名前を引き継いで、という話をしていたのですが、

実は『白線』の名には私の考えた意味ものせています。

 

「余白」の「白」と、「優美な線」の「線」。

どちらも、白線文庫を準備している頃に読んだ本の中で見つけたものです。

 

「余白」については、武満徹さんの本の中から。

“想像力を刺激する、行間や余白”

「白」が「余白」であるということは、はじめから決まっていました。

そして本の中で見つけた文章で「想像力」とつながったときに、

「そうそう!」と膝をうち、しみじみと深く共感したのでした。

ハクセンでは、何をするにも余白の部分をとても大事にしています。

日本古来の侘び寂びの美意識ともつながる、想像の余白。

 

「優美な線」は、串田孫一さんの本のカバーのそでのところに書いてあった、

“優美な線を描くように生きて行きたまえ”

この言葉を一目見て、これだ、と思ったのが今でも鮮やかに思い出されます。

優美な線を描くように生きる、簡単に言えば、

のびのびと生きる、ということなのかなと今では思っています。

自分の内からわき上がる、心から望んだことをして

周りの人たちとそのよろこびを共有し、

のびのびと生きている様子はきっととても美しいものです。

それが優美な線。

 

本は人の想像力を引き出し、誰もがのびのびと生きるための助けをしてくれる。

経験から、そう実感しています。

そして、『白線文庫』から『HAKUSEN』になり仲間が増えた今も、

同じ想いでいつもお店を磨いています。

 

kaori

 

 

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新入荷のごあんない

白線文庫

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エムエムブックスより、『わたしの手帖 2017』、『秋山佳胤のいいかげん人生術』、『まぁまぁマガジン』が届いています。

手帖がうまく使えない、と公言しておりましたが思い立って今年は私も使ってみることにしました!スケジュールを書き込むのは相変わらず苦手ですが、読み物としてもとてもおもしろい手帖です。持った感じやサイズ感もいい。12月はじまりの手帖なのですぐに使い始められますね。

『秋山佳胤のいいかげん人生術』、読んでみてとてもおもしろかったので入荷しました。さすがエムエムブックスの本、これだけの奇抜な(いい意味です!)内容をわかりやすい言葉でとても読みやすく書いてあります。簡単な言葉でするすると読めるようになっていますが、内容は濃く深いので、読む人次第でさまざまな吸収の仕方ができそうな、変幻自在な本という印象です。これは何度も読み返してみたいです。

そして大きくリニューアルした『まぁまぁマガジン』!もう、タイトルがすでにすばらしい…。二年半の時を経て、詩とインタビューの雑誌になって帰ってきました。ずしっと重たく分厚くなって、読み応え十分(288ページ|ポストカード2枚付き)。なぜ大幅リニューアルなのか。「わたし自身がいちばん興味をもっていることを、思いっきりやってみようという思いからです。『服部みれいが、今、ZINEをつくったら?』という試みです」とのこと。言葉の通り、みれいさんがぎゅっと凝縮されているような、そんな雑誌になっています。ぱらぱらっとめくってみて、「歯のほんとうのはなしと細菌と共存するブラッシング法」というのがとても気になりました。最終的な目標が、「健康に死ぬこと」。なんてシンプル。みながこぞって健康を求める理由の根っこの部分はここなはず。いろんな知恵とであえる『まぁまぁマガジン』。詩も、インタビューも、読み進めていくのが楽しみです。待ってましたよ、おかえりなさい。