燈と音の、魔法の時間

お知らせ コラム

世の中には特別な魔法のかかった食べ物がいくつか存在する、そんな気がします。

たとえばコーヒーもそう。チョコレートや、お茶やワインなんかも。

お菓子というのはみんなそうかもしれません。

それを口にすることで、ふっと心をどこかに連れて行ってくれるような感覚だったり、

ひとときこの世の雑事をすべて忘れて、ただただこの時にひたらせてくれるような、

そんなひそやかで幸せな魔法が。

そういう経験ってきっと、誰にでもあることなんじゃないかなと思うのです。

 

音楽や絵画、文学にもそんな不思議な力があります。

数年前のこと、その頃に住んでいた家の2軒となりにSHOZO音楽室という名の

町のイベントスペースができました。

そこでライブがあるたびにワクワクしながら通っていたのですが、

中でも強く心に残っているのが、ランテルナムジカの公演でした。

そこでランテルナムジカを見たとき、

たちまち私は、心地よい陶酔とともにランテルナムジカの世界に引き込まれていました。

幻燈と音楽が奏でる、数々の小さな物語のその世界に。

優れた芸術には人の心を解き放つ力があるのですね。

自分の中の気が付かないような場所に置き去りにされていたなにかが、

その時に、ぐぐーっとひっぱりだされたような心持ちでした。

そしてそれは時間をかけて少しずつ、ほどけてとけていきました。

人生ではときたまこんなことが起こります。魔法的に。

 

さて、私の話はこのくらいにしておいて、ランテルナムジカの魔法の時間、

なんと言ってもとても楽しく、きっとみなさんそれぞれにすばらしい時間を

過ごしていただけると思います。

 

もう本当にすばらしいんです!ぜひ!と店頭でお伝えしてはいるのですが、

具体的にはどんな公演なの?幻燈って何?という質問もいただきました。

確かにすすめる側としては、わかりやすく伝えることってとても大事ですね。

主催の熊谷さんに助けてもらいつつ、長くなりますがちょっと説明させていただきます。

お付き合いいただけるとうれしいです。

 

まずはランテルナムジカとは、音楽家のトウヤマタケオさんと画家のnakabanさん二人のユニットです。

トウヤマタケオさんの音楽と画家のnakabanさんの映像で、光を奏でます。

 

nakabanさんがその場で絵を描いていきながら壁に投影し、

音楽にあわせて動いたり光ったり。

自分の半径30センチ以内にある、たとえばビー玉とか絵の具とかを、

nakabanさんがライトボックスに乗せて大きく投影することで、

今まで見たことのない映像に出会うことができます。

 

幻燈とは、マジックランタン。

幻燈(マジック・ランタン)は、いまから300年以上前に発明された、

現在のプロジェクターの原型である投影装置です。

ガラス製のスライドに描かれた絵や写真をレンズによって拡大、投影する装置で、

光源にはろうそくやランプ、後にはガス灯や電燈が用いられました。

スライドを切り替えながら投影する幻燈のイメージは

現在のスライドプロジェクターやパワーポイント、

紙芝居やアニメーションの原型であるとも言われています。

 

音楽との化学変化によりイメージが跳躍し、まさに魔法のような夜になると思います。

とのこと。

 

そう、魔法のような。

魔法とか、夢とか、子どもはみんなきっと大好きだと思います。

大人だって、誰でも昔は子どもだったわけですし、ね。

 

ランテルナムジカがこの町に来てくれるなんて!

とても幸運なことだと思います。

水辺の風景を含めたハクセンの空間とどのようにとけあうのかも楽しみの一つ。

すてきな時間をみなさんと共有できたら、これほど嬉しいことはありません。

またとない機会、どうぞ早めのご予約をおすすめします。

 

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