『ハクセン』という名まえ
『ハクセン』という名の由来を、白線文庫のころからよく聞かれていました。
その度に、敬愛していた祖父の会社の名前を引き継いで、という話をしていたのですが、
実は『白線』の名には私の考えた意味ものせています。
「余白」の「白」と、「優美な線」の「線」。
どちらも、白線文庫を準備している頃に読んだ本の中で見つけたものです。
「余白」については、武満徹さんの本の中から。
“想像力を刺激する、行間や余白”
「白」が「余白」であるということは、はじめから決まっていました。
そして本の中で見つけた文章で「想像力」とつながったときに、
「そうそう!」と膝をうち、しみじみと深く共感したのでした。
ハクセンでは、何をするにも余白の部分をとても大事にしています。
日本古来の侘び寂びの美意識ともつながる、想像の余白。
「優美な線」は、串田孫一さんの本のカバーのそでのところに書いてあった、
“優美な線を描くように生きて行きたまえ”
この言葉を一目見て、これだ、と思ったのが今でも鮮やかに思い出されます。
優美な線を描くように生きる、簡単に言えば、
のびのびと生きる、ということなのかなと今では思っています。
自分の内からわき上がる、心から望んだことをして
周りの人たちとそのよろこびを共有し、
のびのびと生きている様子はきっととても美しいものです。
それが優美な線。
本は人の想像力を引き出し、誰もがのびのびと生きるための助けをしてくれる。
経験から、そう実感しています。
そして、『白線文庫』から『HAKUSEN』になり仲間が増えた今も、
同じ想いでいつもお店を磨いています。
kaori
2017年1月14日